「調査地、この奥だからついて来て」 尾瀬に行ったことのない私が初めてミズバショウを見たのは 教授のお手伝いで出向いた調査地、苫小牧はウトナイ湖でのことでした。 長靴をはき、クルマを降りるとミズバショウが目の前に群生しています。 それまで「夏の思い出」の歌より、勝手に“清楚で健気に咲いている純白の花” というイメージを抱いていましたので、 「これが、ミズバショウ!北海道って本当に自然が豊かなのね。ステキ!」と ミズバショウとの初対面に感動し、その場に立ち止まりました。 「足もと、ぬかるんでるから。」 教授は続けます。 え?足の踏み場もないほどミズバショウが咲いていますけど・・・・? 言う間もなく、教授はズンズンミズバショウの園へと足を踏み入れます。 北海道環境研のスタッフ、研究室の仲間が後につづきます。 ザックザック、バリッ、ザックザック・・・・。 お構いナシにどんどん踏まれてゆくミズバショウ。 ショックでした。 夏が来れば思い出す 遥かな尾瀬・・・・。 自然の象徴。貴重な白い花。 夢見がちな私のミズバショウへのイメージがガラガラと崩れていきました。 北海道では割とフツウに見られる花で、ちっとも貴重なんかじゃなかったのです。 だからって、ミズバショウを踏むなんて・・・。 初めての時こそココロを痛めていましたが、何度か調査に狩り出される頃には 憎らしいほど肉厚の葉をもち、足のふみどころもないくらい逞しく、 すぐに繁茂するミズバショウに閉口するほどになりました。 夏、ミズバショウのニュースを聞くと、この出来事を思い出します。 生態学からの見地とシロウトが闇雲に叫ぶ環境保護の違いをまざまざと体験したM1の夏でした。 追記:調査のための移動とはいえ、踏み荒らすというほど歩き回るわけではありません。 前の人が踏んだ場所を踏んで歩くことはもちろん、毎回ほぼ同じ場所を通ります。
by mikonpp
| 2004-07-29 10:12
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